透ける心に俺は戸惑う!?

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「帰り道に見知らぬ人に連れ去られそうになった時、助けられた。 間違いない。 山城君だったわ」 『ぼんやりしてたあたしも悪かったけど、あの時の山城君かっこよかった』 照れ臭そうに真島は話す。 「……そういえば、女の子を助けた事あったな。 真島だったのか……」 思い出した。 中学時代、一人の女の子が明らかに怪しい男に声かけられてて助け出したことがある。 相手が大人だったから殆ど負け戦だったが、しつこく食い下がる俺に呆れてアイツらは去っていったんだよな。 「思い出してくれたんだ」 『やっぱり山城君覚えてたんだ』 真島は顔を赤くする。 か、可愛い……。 「逆にぼこぼこにされてみっともないとこ見せてしまったがな」 カッコ悪いとこ思いっきり見せちゃったもんな。 カッコつけたくせに。 「そんなことない! みっとももなくない!」 『あたしを必死で助けてくれた山城君を忘れるはずない。よ!』 熱くなった真島が立ち上がった。 真島ってこんな声出すんだ……。 「にゃー」 『調子はどう?』 俺達が話し込んでいると澄ました顔でネネが現れた。 音もなく現れた。 流石、魔女の遣い。 いやいや。 肉球の恩恵か。
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