透ける心に俺は戸惑う!?

17/23
前へ
/23ページ
次へ
「あら、猫ちゃん。 どこから来たのかしら?」 『綺麗な猫ちゃん。 何だか神秘的ね』 ネネを見て真島は目を細めた。 ゴロゴロと喉を鳴らしながらネネは真島にすり寄る。 「ネネ!」 ネネの登場に俺は驚く。 「知ってる子?」 『山城君、動物にも好かれるんだ』 真島が俺を不思議そうに見ている。 「あ、あぁ」 真島の心の声に俺は照れる。 「にゃにゃにゃー」 『いいこと思い出してよかったね』 俺の方を見てネネは目を細めた。 「これもネネの仕業か?」 真島の前だというのに俺はネネに普通に話しかける。 『ネネは見てた。 君が彼女を助けるところを。 そしてネネも君に助けてもらった』 真島の膝の上に乗ったネネが俺に言う。 「そんな事あったかね?」 ネネを助けた? ……もしかして。 『一々覚えてないのが君らしくていいね。 ネネが近所の子供にいじめられてた時助けてくれた。 傷ついたネネを家で介抱してくれた』 ネネは俺に説明する。 「覚えてるさ。 すっとぼけて見せただけ。 まぁ、元気になってよかったな」 あ。 あの時の黒猫か。 ネネの言葉でしっかりと思いだした。 ネネ、元気になってよかったな。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加