透ける心に俺は戸惑う!?

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『ネネは……。 恩返しがしたかったの』 俺をしっかり見ながらネネは言う。 「これがネネの恩返し?」 俺はネネに尋ねる。 『うん』 ゴロゴロと喉を鳴らしながらネネは頷く。 「猫の恩返しって……」 何処かで聞いた事あるんだが……。 『そこはオフレコね』 つっこむネネ。 そこはしっかりしているんだな。 ホントに猫なのか疑いたくなる。 「山城君猫ちゃんとお話しできるの?」 黙って一部始終を見ていた真島が口を開いた。 「いや、その。 何となくそういってるんじゃないかなーって」 真島にはネネの声はニャーしか聞こえない。 当たり前だけど。 俺は非現実的にもネネの声が心の声として聞こえる。 真島からしたら気持ち悪いだろうな。 「やっぱり優しいね」 『思った通りだわ』 真島の意外な反応。 思った通りってなんだ? 「そ、そんなんじゃ……」 別に優しさをアピールしたわけではない。 ネネのお陰だ。 『あと一押し』 ネネの金色の瞳が俺をジッと見ている。 期待に満ち溢れている。 「ネ、ネネさん?」 ネネの言葉に俺はドギマギする。 「山城君はどうしてその猫ちゃん知ってるの?」 不思議そうに真島はネネを見ている。 ネネも真島に興味があるのかスンスンと鼻をならし匂いをかいでいる。
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