386人が本棚に入れています
本棚に追加
「何? その間抜けな顔は」
あたしの顔を見てくすくすと笑っている凛はそのままあたしに手を差し出してきた。
「どこに行く? 何したい?」
「凛?」
訳がわからず凛を見上げると、凛はとてもやさしく微笑んでいて。
「今日はとことん彩葉に付き合うよ」
そのまま何となく差し出したあたしの手をぎゅっと握りしめた。
凛の言葉に、凛のこの行動に、あたしは胸が熱くなる。
さっき散々『会いに行けば?』的なことをたくさん言ってきたけれど、きっとあの言葉は、何でも胸の内に秘めてしまうことの多いあたしの心の声を引き出してくれるため。
最初のコメントを投稿しよう!