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そんなあたしをじっと見つめてきた仁は、小さく息をこぼしながら眉を下げた。
「泣いたのか?」
「え」
「泣いたんだろ?」
「……」
昨夜は確かにずっと泣き続けていた。
だから朝起きたとき、瞼が重く感じるほどに腫れあがっていた。
冷やしたり温めたりを繰り返しながら腫れを抑えて、それをメイクで隠してきたつもりだったのに。
といっても、凛にもすぐに気づかれてしまったんだけれど。
仁とも一年半ほど一緒に過ごしてきたんだから、気づくよね。
けれど、凪さんにフラれたなんて言えるわけがなくて口を閉ざす。
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