愛し桜

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遅く咲いた桜よ その儚き可憐な柔らかさ ずっと咲き続けてほしい その命の枯れるまで 揺れ動く淡い葉と 生まれたての硬い蕾 目に止まる 彼の人に 桜が想い寄せる 無邪気な綻ぶ笑みも はにかむ口許も 叶い叶わぬ不安も あなただけの宝 想い伝えられずも 何1つ無駄のないその想い 豊かな土壌を築いてほしい いつか叶うその日まで 陽を浴びて逞しく 風を受けてしなやかに 咲く道の 途絶えさえ あなたの糧となる 亀裂生じる幹も 浮かぶ朝露も 白く細いその枝に 力込め返り咲け 思い悩む苦しさも 己の使命を遂げる強さに どうか変え続けてほしい 咲き誇れよ愛し子よ
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