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女の子が夜景を見ながら、流れ落ちる涙を拭う。
私はそれを見て声をかける。
「どうしたの?」
女の子は私に警戒の目を向けたが、訳は話してくれた。
「チョコレートの値段が高すぎて、憧れの先輩にチョコレートを渡す事が出来なかったの」
「そう言えばテレビや新聞で、誰かがカカオを買い占めたと言っていたな。
可哀想に。
(な――んてな、世界中のカカオを買い占めたのは私なのだよ。
バレンタインなんて無くなってしまえ)」
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