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雪が降る中、ここから眺める街はとても美しく見える。
「バレンタインってしょっぱいんだな」
そんな幻想的な風景をぶち壊すセリフを彼は吐く。
「あら、美味しくないなら食べなくてもいいんだけど?」
「ごめんなさい」
彼は今年もチョコを貰えなかったそうだ、高校最後なのに恋人の1人もいない可哀想なやつ。
あまじょっぱいとか言いながら食べないで欲しい、私の作ったチョコが不味いみたいじゃないか。
「でも、お前が俺にチョコをくれるなんて思わなかったよ」
「義理だから安心しなさい」
ガックリと彼は項垂れてしまった、私がコイツに本命チョコなんて渡すわけないだろう・・・。
「義理でも嬉しいさ、お前からならな。
でもなんで今年はチョコをくれたんだ?去年とかは普通の駄菓子とかだったよな?」
「たまたまよ、たまたま」
あぁ、私は今年も天邪鬼だ。
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