『さよなら、私』

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「やっぱりか……」と思った時だった。 「ほら、来たじゃん」 「よう、ゴミ!!飛び込んでしまえよ、ここから」 私は後ろを見たらそこには私がいた。 「あっ、逃げたぞ」 「ちっ、チャイム鳴っちゃったし、私たちも戻ろう?」 思い出した。私が教室や屋上に入ったらドアが勝手に開いたりしたのは今の私の存在があったからか。 なら、私は何者なんだ。 思い出した。私は急いでトイレに行きある個室トイレの扉を叩く。 ダメだ、反応しない。そうだよな、この時私は彼女達が来たのかと思ってたんだもん。 でも、このままだと。 スマホ……。ポケットに入ってなかった。 そうだ、その場に置いておいたんだな。 仕方なく教室に戻った。 先生が私の名前を読んでいた。 「何だ?アイツいないのか?……ってドアが……」 「まだ、学校に来てないんじゃないかな?」 さっきの彼女のリーダー的存在の子が答える。 「そうだな。親御さんにも聞いてみるか」 あんたは何も出来ないのか? 『至急、先生方は教室に集まってください』 そう、放送が流れた。こんな放送が流れたのは私は知らない。だってもうこの時の私は……。 「おい、お前ら。藤井玲子が病院に送られた。自殺未遂だと」 しばらくして担任は教室の扉を開けて大声でそう怒鳴る。 「何だ。生きてんじゃん。で?どこでそれしたの?」 「トイレの個室だ」 「さすが、構ってちゃんだな?」 「雪長!!お前、知ったような言い方だな?それに生きてるとは言えねーよ」 あんただって何も出来なかったじゃない!! 「俺は悔しいんだよ!!手が届きそうなイジメに手を出すことが出来なかった。雪長、お前だって悲しい思いはあるだろ?」 「ないよ?」 「なら、なんで涙を流す?」
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