『さよなら、私』

私は彼女が涙を流すところを見る。

「なんで泣いてるんだろうね……」

他の人もうつむいて涙を流している。

「悲しいと思うのは人間だからこそ出来るんだ。構ってちゃん？そんな言葉を発したのは見つける際に構ってもらえるとでも思ったからだろ？」
「そうだよ！！」

金切り声になっている。

「なら、お前の方が構ってちゃんだ！！藤井が嫌で構いたいからイジメを始めたんだろ？」
「そうよ」
「あいつにとっては……イジメはな、死ぬのと同じくらい辛いんだ。されてる方は楽だけどな」

私はその言葉の後、遠のく感じがする。
タイムリミットか。
傷が深かかったためか、私はこのまま息を引き取ったようだ。

『みんな、ごめんね』

このスマホに映る文字は読んでもらえたのだろうか。
担任や雪長をリーダーとするイジメの三人組、そして何もせずに見守っていたクラスメイトの「ごめんね」などの叫ぶ声が聴こえてきそうだった。