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あれから何年経ったか。
今日は久しぶりに地元に帰ったという神崎を飲みに誘ったのだ。
「臼井」
「神崎」
イケメンはやはりイケメンのまま、少しもハゲずに髪をなびかせている。
俺はといえば俺も相変わらず俺なのだ。
「臼井は変わらないね」
「お前もな」
神崎は大学でなんだかよくわからない発見をし、なんだかよくわからないままお偉い研究者になっていた。
同窓会なんかじゃ当時散々こき下ろしていた女達が目の色を変えて連絡先を聞いてくる始末だが、神崎も相変わらず神崎なのでついていけると思えない。
とはいえ凡人の俺にはよくわからん。
だって神崎は、神崎なのだ。
「僕、臼井のそういう所が好きなんだ」
「えっ」
「人として、だよ?」
「ん?うん…うん?」
神崎が笑う。
何がおかしいんだ。
俺か。
「ま、いいか」
「うん」
俺は俺。
お前はお前。
きっと、ずっと、これからも。
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