第5章

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週明けの登校日。 生徒たちは週末の気分を引きずっていて、教室の空気が少し浮わついている。 まあ、そんな空気も、1年2組に限って言えば、担任の登場とともに一掃されてしまうのであるが。 「SHRを始める。」 今朝もシリウスの一言で、雰囲気がピリッと引き締まる。 かと思いきや、 「まず、編入生を紹介する。」 「「!! ええっ!?」」 一気に沸き立った。 キルゴール学園に転入生が入ってくるのはごく稀(まれ)だというのに、今期で3人目。 生徒が驚くのも無理からぬことだった。 「先生、今度こそは男子ですよね!?」 「いや、ここは敢えての女子で!」 「ここで女子だとバランスがおかしくねぇ?」 「バランスって何の。」 生徒たちが思い思いに発言するが、それに一々応えていては話が進まない。 「―転入生、入れ。」 シリウスは転入生を教室に招き入れた。 百聞は一見に如かずということである。
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