第5章

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「―何か質問は。」 シリウスの声に、多くの手が挙がる。 「所属ギルドは?」 「『氷窟』だよ。」 シュンの答えに、「俺もだ、よろしくな。」とか「一緒一緒~。」という声があがる。 「全属性持ちって話だけど、得意な魔法は?」 「えーと、実は殆ど魔法を使ったことがなくて・・・よく使うのはテレポートとか空間ボックス、かな。」 教室がどよめく 。 それは勿論、数か月前の転入生を彷彿とさせるからで。 「殆ど魔法使ったことがないって・・・もしかしてシュンくんって何処かの王子さまだったりする?」 「箱入り系の?」 「防御魔法だけ矢鱈(やたら)スゴい系の?」 「更に天然系の?」 「―いや・・・一般家庭の出身だけど・・・。単に使う機会がなかっただけだよ。」 ちなみに、天然じゃないと思うよ。 クラスメイトの勢いにたじろぎながらも答えるシュン。 顔立ちこそ綺麗だが、その所作に優雅さや上品さは見られないから、一般家庭の出というのは本当だろう。 得てして、育ちの良さというのは処々に滲み出るものなのだ。
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