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「ところでシュン・クサナギ。
・・・お前、刃物は持っているか。」
「? はい、ありますけど。」
シュンは怪訝そうな顔で空間ボックスを開くと、真新しいナイフを取り出す。
「いや、持っているなら良い。
ごくごく稀に、持っていない生徒がいるものでな。」
「はぁ、そんな人いるんですね。」
壁際に集まっていた生徒たちの視線がヒメに集中する。
「えっと・・・今は持っているわよ?」
授業以外で使ったことはないけれど。
「・・・始めても?」
「いつでも良い。」
それじゃ、とシュンは躊躇う様子もなく、手に持ったナイフで左の人指し指をサクリと切る。
みるみる血が溢れ出し、滴(しずく)になるとポタリと魔方陣に落ちた。
パァッと光を発する魔方陣に、シュンは目を輝かせると両手を前に出す。
「―素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。
降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。」
「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」
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