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「何でって・・・。」
顔を見合わせるミーアとタクト。
「そりゃあ、ねぇ。」
「だよなぁ?」
「ヒメちゃんがいるからでしょ。」
ミーアの視線の先には、皆と一緒になって巨大な天使を見上げているヒメがいる。
1年2組の生徒にとって、ヒメの役割とその効果は周知の事実であった。
なお、一般的には、王国最強の帝が魔獣を駆逐しているため、国内への侵入がないのだと言われている。
実際、帝は『壁』に近付く魔獣を間引く役割も担っているから、全く的外れという訳でもないのだが。
「・・・あの娘(こ)が?それってどういう・・・。」
「シュン・クサナギ。
そろそろ使い魔を返還しろ。魔武器を作成するぞ。」
シュンの疑問はシリウスによって遮られた。
「は、はい!
・・・それで、どうすれば?」
「『戻れ』とか『帰れ』と命じれば返還される。」
「はい。
―『戻れ』。」
言った瞬間、サンダルフォンはかき消えた。
「おお~、消えた。」
3mの巨体が一瞬で消えたことに感動の声を漏らす。
その声を拾ったシリウスは、
「まぁ、普通は消えるよな。」
と、規格外の使い魔を頭に浮かべながら呟いた。
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