第5章

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クラスメイトが和気あいあいと部活動に勧誘しているのを尻目に、キキはシュンを睨み付けていた。 「キキ?怖い顔しているけど。」 ヒメの指摘に、キキはヒメを見る。 『アイツに近づかないで。』 キキからのテレパシーだ。 周囲に聞かれてはならない内容だから、ということだろう。 「どういうこと?」 テレパシーを使えないヒメは、口頭で尋ねる。 『アイツは犯罪者。 王族の所有森に勝手に滞在していた。』 先週、キキは指名でギルドの依頼を受けた。 その内容は、犯罪者の捕縛だったという。 王城の後ろに広がる森、そこは王族のプライベート空間で、国民の立ち入りが禁じられている。 そこにシュンは侵入していたばかりか、王族専用のコテージに住み着いていたのだという。 「何故そんな所に?」 『分からない。すぐに捕縛してギルドに引き渡した。』 そして週が明けて登校してみれば、転入生としてやって来たというわけだ。
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