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「ということは、何か事情があったかもしれないわよね。」
『犯罪者には違いない。』
「そうね。
でも、悪意のある者をギルドが野放しにするかしら。」
「っ。」
あまつさえ、ギルド員として受け入れている。
「ギルドで事情を聞いて、問題ないと判断したから学園への転入を認めたのでは、と私は思うのだけど。」
「・・・。」
ヘニョ、と眉を垂れたキキ。
聞けば聞くほど、(そう言われれば、そうかも・・・)という気分になってきたようだ。
「ヒメ・・・。」
「大丈夫よ、後で一緒に謝りましょうね。」
「・・・うん。」
「それから、嫌いになんかなってないわよ、キキ。」
「!」
「心配してくれたのよね?」
「うん。」
みるみる表情が明るくなるキキ。
「―ヒメは、スゴい。」
ボソリと呟く。
「・・・え?何か言った?」
「―ううん。」
「お、なんか解決したっぽいぞ。」
「ホントだ、キキがフレンドリーバージョンになってる。」
「俺らもようやく、キキの表情が見分けられるようになってきたな。」
「あの聖母のようなヒメちゃんの笑み、癒されるわ~。」
「いっそ神々しいよな!」
シュンの周囲にいた生徒たちは、にこやかにそんな会話を交わしていたのであった。
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