第1章

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日曜日の朝の谷崎恩寵公園は近くの親子連れや暇を持て余している老人で溢れかえっていた。向こうにはテニスコートや野球を出来るスペースもあり少年が元気に飛び回っていた。 目の前で2歳になる息子の翔が勢いよくブランコを揺らしていた。 名前はいいな。妻の舞と前の旦那が話合って決めただろう幸せそうな時間を想像してみた。空を駆ける姿を想像出来、男の子の名前としては近年は上位にランキングされている。俺も自分の実の子がもし、女の子でなかったら同じ名前を付けたかもしれない。そう思った。 翔は舞の連れ子だった。お互いに再婚。分かった上でのことだった。岡田友也も実の2歳になる娘がいた。名前は琴音。今は別れた元妻が引き取っている。早々と向こうも再婚したと聞いた。実の娘との別れ。離婚とはこれほどまでに辛いのかと思った。目に入れても痛くない可愛い可愛い最愛の琴音との生活をまざまざと思い出す。 自分に似て色白でサラサラヘアー、目はぱっちりしていて甘えん坊。見れば見る程、幼き自分そっくりだった。自分と似ているからこそ自分を愛するように無償の愛をいくらでも注ぐ事が出来た。
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