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「ごめん、ゆきちゃん!紗栄子から電話が来たから一旦切るね!」
「あ、そうだせめて助かりたいなら紗栄子ちゃんに伝えておいて
決して他人を下に見たり貶したりとか、負の感情が混じっている言葉は絶対に言わないこと」
そう言って、ゆきちゃんの電話は切れてしまいました。
それと同時に再び紗栄子からの着信が入り、彩乃が通話ボタンを押すと先程より混乱しているのが焦った紗栄子の声が聞こえました。
「ねえ、どうしよう!他の先輩達まで動かないの!石みたいになってるんだけど!?どうして!?」
「ちょっと紗栄子落ち着いて!」
必死に紗栄子を宥める彩乃でしたが、パニックになっている紗栄子に言葉は届いていないのか、それどころか慰めてくれているはずの彩乃を罵り始めたのです。
「だいたい彩乃がいけないんだよ!他人事みたいに落ち着いてとか言うから!
彩乃だって、こんな状況だったら絶対に落ち着いてとか言わないくせに!」
「紗栄子、あのねゆきちゃんが」
「そうよ、私は悪くない!悪いのは肝試しに誘ったアイツ等よ!悪くない、私は悪くない!
悪いのはアイツ等と彩乃で私は悪くない!
全部悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは悪いのは」
同じ言葉を繰り返す紗栄子。
まるで何かに取り憑かれているかのようで、ゆきちゃんの言葉を思い出した彩乃は必死になって止めましたが、それに被さるようにますます声が大きくなるばかりでした。
そして………。
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