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「ねえ、危ないバイトって知ってる?」
「危ないバイト?」
「そう、世の中には裏バイトっていうのがあってね、例えば死体洗いのバイトとか自殺の名所で遺品を回収して売りさばくってバイトがあるんだけど、一番危ないバイトっていうのはね、実は身近な所に隠されているんだって」
(どういうこと?)
明日花は顔を隠しつつもゆきちゃんを見ると、ゆきちゃんはショルダーバックから水色の水玉のノートをパラパラとめくって話を続けました。
「例えば飲食店なんかだと、豚の肉ですよーって言いながら実は殺した従業員の肉を出したり、動物園の猛獣の餌も実はお客さんがこっそり殺されて、その肉を出してるって事があるんだってさ
みんなが知っている職業だからこそ、実はとんでもない裏が隠されていたりするからね
あとは、給料がやけに高いのも少し気をつけたほうがいいかもよ
うまい話には落とし穴があるっていうからね………」
そう言って、ゆきちゃんはノートを閉じるとそのまま深海魚のコーナーへと進んでしまいました。
クラスメイト達もそれぞれ、進んでいく中で顔を隠していた明日花だけは、ゆきちゃんの話が頭から離れませんでした。
風船配りの割には時給が良すぎる………。
それに、終わったあとに採血をするのなんておかしいし、優雅に泳いでいる人魚達を見てもどうしても違和感が拭えない!
明日花は昨日の郁実の話を思い出して、もしかして………!と顔を青ざめさせながら慌ててバックヤードへと走りました。
走る姿を人魚達が見ていたことなんて知らずに………。
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