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「そういえばさー、バスケ部の宮城先輩っているじゃん?あの人、理科室でよくめっちゃ美人な人と喋ってるよね」
「私も見た!ロングヘアーの人とでしょ!お似合いだったよねー」
ロングヘアー………。
その言葉に、花恋は思わず進めようとした足を止めてしまいました。
何故なら花恋の髪は肩につくくらいの長さで、決してロングヘアーではないのです。
「え、でも宮城先輩1年の子と付き合ってなかった?」
「えーあの子、先輩と釣り合ってなくない?」
「お遊びでしょお遊び!」
キャハハと笑う女子生徒達の声に、花恋は思わずその場から逃げ出してしまいました。
違う!先輩は告白したらOKしてくれたもん!
何よりも先輩は、そんな人じゃない!!!
必死に走る花恋、気づけばいつのまにか外の方まで出てしまって、慌てて校舎に戻ろうとした時、ふと先ほどの女子生徒の話を思い出して、そっと理科室がある教室に目を向けました。
すると、そこには一人の髪が長い女子生徒がいて、花恋の方を見てニコリと微笑みました。
(美人!)
顔半分が長い髪で隠れていますが、それでも美人と思えるくらいで、花恋が思わず見惚れていると、ふと女子生徒が動いた瞬間思わず目を疑いました。
女子生徒が動いたことで、顔を半分隠していた髪が動いたのですが、何とその下は骸骨だったのです。
女子生徒は、花恋を見つめたままスッと消えてしまい、花恋は恐怖でしばらくその場から動けませんでした。
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