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授業中、花恋は先ほど見た顔半分が骸骨の女子生徒の映像が頭から離れませんでした。
さっきのは何!?何だったの!?
軽くパニックになりながらも、女子生徒達の噂を思い出しながら考えると、ある仮定ができました。
(さっきの子達が、宮城先輩の隣にいたロングヘアーの美人ってもしかして、あの骸骨かもしれないんだよね………
それに、骨格標本は事故で亡くなった女子生徒だって言ってたし………
もしかして、先輩は骨格標本に取り憑かれてるかもしれないってこと!?)
そうなると、何度理科室に入ってもさっきまでいたはずの女子生徒の姿がないことと辻褄があいます。
もしかしたら、先輩は骨格標本に騙されているのかもしれない!
先輩を骨格標本の魔の手から救わないと!
花恋はキュッとシャープペンを握り締めながら、先輩を助けるための算段を考えたのでした。
昼休み、花恋は先輩との昼食を断って2年生の教室へと向かいました。
その目的は、ある人物に話を聞くためです。
「あ、あの藤森ゆき先輩って人いますか?」
「ゆきちゃん?ちょっと待っててね、ゆきちゃーん!お客さんだよ」
「はいはーい」
花恋がドキドキしながら待っていると、教室の奥のほうで友人と弁当を食べていた一人の女子生徒が片手に水玉のノートを抱えながらこちらに来ました。
「私が藤森ゆきだけど、貴方は?」
初めて来る2年生の教室。
初めて喋る上級生に緊張しながらも、花恋は胸の前で手を合わせながら口を開きました。
「わ、私!1年A組の相内花恋と言います!あの、藤森先輩………理科室の骨格標本の噂について教えてください!」
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