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そしてホワイトデー当日、あちこちで男子が照れながら女子にお返しを渡す中で、彰俊も彼女にホワイトデーのプレゼントを渡した。
プレゼントは勿論、あの日拾ったリボンのネックレス………。
彼女は一目見て可愛い!とはしゃぐと、早速ネックレスを首に着けて満足そうに笑った。
笑顔の彼女を見て、彰俊は一瞬罪悪感を感じたものの、すぐにこれでよかったんだと切り替えました。
そんな彼女が喜ぶ後ろに目をやると、クラスメイトの健が同じくクラスメイトのゆきちゃんにお返しを渡しているのを見かけました。
「ゆきちゃん、毎年ありがとう」
「ありがとう健君!今年は有名事件事故心霊スポット図鑑なんだね!
あ、ねえねえ知ってる?実は家の学校の近くで、昔女の人が電柱と車の間に挟まって亡くなったっていう事故があったんだって!
今でも遺族が花を供えに来たりしてるんだけど、そこにねリボンのネックレスが落ちてるんだってさ
もし、そのネックレスを拾って持ち帰ったらね………」
「な、なあ一緒に帰ろうぜ!」
「うん、いいよ」
彰俊は、なるべく大声でゆきちゃんの話が聞こえないように彼女に言うと、慌てて彼女の手を引いてその場から去りました。
何故なら電柱、花、リボンのネックレス………。
どれも彰俊にとってはタイムリーな話題であり、触れられたくない物だったのです。
彰俊は、彼女の手を引いてそのまま学校をサボると、そのままゲーセンに行ったりカラオケに行ったりとなるべく騒いで、ゆきちゃんの話を忘れるようにはしゃぎました。
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