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「今日は楽しかったねー!」
「そうだな」
帰り道、ネックレスを揺らして嬉しそうに笑う彼女を見て、彰俊も釣られて笑顔を見せました。
来年こそはちゃんとお小遣いを貯めて、いいのを買ってあげたいなと思いながらも二人でゆっくりと歩いていると、突然彼女が首を抑えて苦しみ始めたのです。
「う、ぐっ………!」
「おい、どうした!?」
顔を真っ赤にして、必死に喉を掻きむしっている彼女。
彰俊が慌てて彼女の喉を見ると、何と先程まで鎖骨辺りで揺れていたはずのネックレスがギッチリと彼女の首を絞めていたのです。
何とか引き剥がそうとしますが、まるで皮膚に吸い付いているかのようにピッタリとくっついたネックレスは外れそうにありません。
やがて、ブチリと嫌な音が聞こえたかと思いきや、彼女の首は身体から離れてコロコロと転がっていき電柱にぶつかって止まりました。
近くには空き缶に供えられた花………。
そう、彰俊がネックレスを拾った電柱に彼女の頭がぶつかったのです。
「な、んで………!?」
そう呟く彰俊の耳元で、そっとノイズが混じった女の声が聞こえてこう言いました。
「ネックレス返して………」
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