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ゆきちゃんは、花恋の話を聞きました。
そして、全て話を聞き終えるとパラパラと持っていたノートを捲りながら口を開きました。
「実はね、この学校の骨格標本は私たちが1年生の時までなかったの」
「え?」
「今時骨格標本がない学校って珍しいなって思ってたんだけどね、ある事故があったあとにいつのまにか置かれてたの」
「事故?」
花恋が聞き返すと、ゆきちゃんはノートに挟んでいた一枚の写真を取り出して花恋に見せました。
そして、写真を見た瞬間………花恋は思わず声をあげました。
写真に写っている女子生徒の顔、長い黒髪………どれも花恋には見覚えがあるものばかりでした。
「この人!この人です、私が理科室で見たの!」
「この人は高宮沙羅、私たちより一つ年上………まあ本当なら3年生だったんだけど2年生の時に信号無視のトラックに跳ねられて亡くなってしまったの
ちなみに、貴方の恋人である宮城先輩の元恋人よ」
元恋人、その言葉が花恋の心に重くのしかかりました。
ゆきちゃんは、写真をノートに挟むと話を再開しました。
「私たちが1年の時には既に付き合ってたみたいなんだけど、お似合いって有名だったよ
いつも理科室で一緒にお昼を食べててね………とにかく有名な二人だったんだ
ところが、2年のある日に彼女は事故にあって帰らぬ人となった
葬儀の時に宮城先輩の荒れっぷりがすごかったらしくてね、先輩理科室に全く近づけなくなったの
ところが骨格標本が来た時から、また理科室に通うようになってね不思議だなとは思ってたんだけど………
その頃からだったかな、骨格標本は実は高宮沙羅の骨だって噂が流れ始めたの」
じゃあ、私が見たのは先輩の元カノの幽霊!?
今でも先輩は元カノの幽霊に会うために通ってるの!?
「あ、ちょっと!?」
花恋は勢いよく立ち上がると、そのまま2年の教室を飛び出してある場所へと走りました。
「まだ話が残ってるんだけどな………」
そう呟いていたゆきちゃんの事など知らずに………。
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