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最近、ゆきちゃんの通う中学校にはある噂が流行っていました。
その噂というのは………。
「赤い上履きの噂って知ってる?」
中学2年生の松野郁実は、クラスメイトで幼馴染の百合に話しかけられて、雑誌を見ていた顔を上げました。
「何それ?」
「郁実知らないの?隣のクラスのゆきちゃんが話してたんだけど、ウチの学校の4階の廊下の奥に古い大鏡があるんだって!
その鏡の前に恨んでいる相手の名前を心で唱えながら立つとね、鏡から赤い上履きを履いた女の子が歩いてきて恨んでいる相手を殺しちゃうんだって!」
そう言って興奮気味に話す百合に、郁実は溜息を吐きながら雑誌を閉じるとこう言い返しました。
「嘘くさい、第一ウチの学校に赤い上履き履いてる学年とかいないじゃん」
「本当だって!1年の超生意気な女子が死んだのも、その赤い上履きの女の子に殺されたって噂があるんだよ!?」
「噂は噂よ」
「もー!郁実はリアリストなんだから!」
そう言って、抱きついてくる百合の頭を撫でながら、郁実は小さい頃から変わっていないなとしみじみ思いました。
郁実と百合は、幼稚園の頃からの付き合いで、噂好きで活発な百合とクールで大人びた郁実は対照的な二人だとよく言われましたが、いつも一緒にいました。
『お婆ちゃんになってもずっと一緒だよ!」
そう言って昔は二人でよく笑い合って、郁実自身もずっとこんな関係が続いていくものだと感じていましたが、最近ある変化が現れたのです。
その変化というのは………。
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