最後のピース

『最後のピース』 クリスマスＳＳ

　結局、がっちりと太ももを固定され、丹念に舌で解されるうち、響は何度も高みに昇りそうになった。

「あっ、や……せんぱい……」

　何度も体を捩って快感を逃そうとするが、うまくいかない。

「もうやめ……っちゃう……から……」
「いいぞ、いっても」
「いやだ、先輩……きて。一緒が…………ぁ、いい」
「……くっそ」

　晶也は埋めていた顔を股間から離し、固定していた太ももをガッと上にあげた。

「ごめんな、響。でも多分お前が悪い」
「えっ？　――――ああっ！」

　素早くゴムをつけると、粘性の高いジェルを響のそこにドロッとぶちまけらる。先程まで熱い舌で愛撫されていた窄まりに、今度は晶也自身でヌルヌルとジェルを擦り伸ばされた。
　擦られる度いくつもの敏感な場所にあたり、おかしな気分になる。

「んあっ……やっ……ああ、ん……はあ」
「響……」
「あ、ああっ！」

　ヌルヌルと表面を行き来していた晶也のものが、いきなり的確にそこを捕えたかと思うと、ズン、と一気に最奥まで突かれた。その瞬間響はびゅるりと爆ぜる。恥ずかしい、と思う間もなく、残滓を搾り取るように扱かれながら、いつもよりもやや荒い律動を与えられる。

「あっ、や……はっ、あ、あ、んーー」
「響、締めすぎ。ちょ、っと弛めろ」

　一日中、ほとんど休憩も取らずに働きづめで疲れているはずなのに、体は晶也を求めて貪欲になっている。目の前に愛する人がいて、今まさにひとつになっているのにおかしいと自分でも思うけれど。締め付けを弛めようと、必死に呼吸をコントロールしようとするが、上手くいかない。

　耳がふっとあたたかくなり響、と名前を呼ばれて我に返ると、大きな手で顔を包まれていた。いつのまにか無意識に晶也のたくましい肩にしがみつき、その胸に顔を埋めていたようだ。ぎゅっと瞑っていた瞼を開くと、目の前に晶也の顔があった。その表情は慈愛に満ちていて、響はこの上ない幸せな気持ちになる。

「ん？　……せんぱい……」
「響――愛してるよ」
「んんっ……ふあ……」

　愛してる、愛してると何度も繰り返しながら奥深くまで貫かれ、響の意識はやがて途切れた。