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ヤッタ――！ 透明になったぞ。
服から出ている顔や手が透明になり、鏡に映っていない。
着ている服を全て脱ぎ捨て、全身が透明になっている事を確認。
これで僕の一番の悲願であった、美奈ちゃん（義姉）の裸を鑑賞できる。
足音を忍ばせ階下に降り、風呂場に近づく。
風呂場の扉を開けようとした僕の頭を、母ちゃんがぶん殴った。
「何をやっているんだい！
素っ裸で、うろついているんでないよ。
以前ならともかく、今は美奈ちゃんもいるんだからね。
まったく」
え！？ぶん殴られて、周りを見渡す。
すると脱衣場の鏡に、素っ裸の僕が映っている事に気が付いた。
僕は慌てて言い訳の言葉を口にしながら、階段を駆け上がり部屋に駆け込む。
「ね、寝ぼけていただけだよ――――」
部屋に駆け込んだ僕の目に、僕のベッドに寝そべり漫画を読んでいる悪魔の姿が映る。
「おい！！
どういう事だ！ 直ぐ効力が消えてしまったぞ」
悪魔は漫画から顔を上げ返事を返して来た。
「馬鹿か、お前。
お前に掛けた魔法はサンプル品だ。
サンプル品の試用期間なんて、短いに決まっているだろう。
好きな時に好きなだけ透明になりたければ、契約書にサッサッとサインしろ」
そう言いながら悪魔は、契約書を僕に差し出した。
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