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敢太のことだって、分かった風な口聞いちゃってさ。
彼はきっと、私が男の子と二人きりで飲みに行くことなんて何とも思っていないはず。
敢太自身、彼女がいても女友達と二人で飲みに行ったりしていたし。
……そういうの、本当は嫌だったのに、嫌って言えなかったな。
「あー、ダメダメ。こんなことを考えたら」
お風呂の中ではどうしても、余計なことまで考えてしまう。
まこへの違和感も、敢太のことも、身体の汚れとともにシャワーで流してしまおう。そう思った。
――この時の私は、まこがいつもと違うと言う事に気づいておきながら、気づかないふりをしていたのかもしれない。
幼馴染の姉と弟という関係性に、逃げていたんだ。
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