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「その人は、俺より六つ年上で、生まれたときからずっと一緒にいる人です。よく遊んでくれるお姉ちゃんから初恋の人に変わったのは、いつからだろう。自分でもよく覚えていません。ただ、子供のころからずっと好きで、好きで……苦しかった。なぜなら、彼女は俺より先に大人になっていくからです。彼女にとって俺はいつまでもガキで、男としてみてもらうことすら出来なかった」
他のメンバーも客も、まこの話をただただ静かに聞いていた。
広い空間が静寂に包まれ、まこの声だけが響き渡っている。
「何度も諦めようと思いました。他の子と付き合って、忘れようともしました。でも、どうしても出来なくて……気づいたんです。俺は、あの人しか好きになることができないんだって。ちゃんと自分の気持ちと向き合って、ぶつからないと一生このままなんだって。それで俺は、社会人になったら彼女に告白をするって心に決めて、今まで頑張ってきました」
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