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ステージの上に堂々と立つ彼と、彼を応援してくれるメンバーやファン、温かく見守っている社長やスタッフの存在全てを誇りに思う瞬間だった。
――大声援の中、惜しまれつつもステージの幕が降りた。
徐々に空いていく客席を眺めながら、独特の余韻を味わっている。まだどこか夢見心地な気分でいるのは、さっきまでのことが現実とは思えないからかもしれない。
「彩ちゃん、私たちもそろそろいきましょ?」
「いくって、どこにです?」
「何とぼけたこと言ってるの。まこちゃんに会いにいくのよう」
まこと顔を合わせる、そう考えただけで急に恥ずかしくなってきた。
あんな風に想いを伝えられて、どんな顔で彼に会えばいいのか全く分からない。
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