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花束に向かって伸びていく手にもう迷いはなかった。割れ物にふれるかのようにそっと受けとると、彼に負けないくらいの笑顔を見せて、短い返事をした。
「……はい!」
そう答えた瞬間、周囲にいた社長やメンバーたちが喜びの雄叫びをあげた。まこに抱きついたり、その場でガッツポーズをしたり、跳び跳ねている人もいた。
当の本人はぽかんとしていて、何が起こったのか信じられないという様子でずっと私を見ていた。
そんなまこはとてもかわいくて、また一段と好きだと思えた。
――自分の気持ちが分からなくて迷っていたのが嘘みたいだ。今ははっきりと、目の前にいる彼のことが好きで、これからどんな困難が待っていようとそばにいたいと思う。
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