29.今宵はあなたと。

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「彩ちゃんが高校生になってからはなくなったよね。クリスマスは友達と過ごすからって言ってたけど……ホントは彼氏だったでしょ」 「まぁ、そういう時もあったけど、友達と過ごした年もあったよ?」 「ふーん、まぁいいけどさあ」 不機嫌な顔をしてチキンをほおばるまこが可愛くて、思わず笑ってしまう。 数時間前はステージの上で華麗に踊っていた姿とは似ても似つかない。 セットのサラダを食べながら、ふと椅子の上においてある荷物に目をやった。 バッグの上に置かれた三本の薔薇は、どんな場所でも目を引くほどに綺麗だ。 「……夢じゃないんだなぁ」
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