29.今宵はあなたと。

4/30
前へ
/482ページ
次へ
噛みしめるようにつぶやくと、まこは首をかしげて「何のこと?」と尋ねてきた。 「えっと、今日起きたこと全部かな。すごくロマンチックで、夢みたいだったから……」 思い出しただけで恥ずかしくなって、急に落ち着かなくなってしまう。 目の前にまこがいるって思うだけでドキドキして、チキンにかぶりつくことすらためらってしまう。 もっと食べやすいものを選べばよかったと、今になって後悔した。 「彩ちゃんがそう思ってくれるなら嬉しいけど……俺は今になってすっごい後悔してる。なんであんなむさくるしい場所で告白しちゃったかなー」 「確かに、すごい熱気だったし、ちょっと汗臭かったね」
/482ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1255人が本棚に入れています
本棚に追加