1255人が本棚に入れています
本棚に追加
「よし、変装したからもう大丈夫だね」
まこは私の手をとると、指を絡めるように繋いできた。
いつもよりも密接に触れ合い、まこの温もりを感じ取れる。
手のひらを通して、この胸の高鳴りが伝わってしまうかもしれない。
そう思うとますます胸が苦しくなって、たまらず目を伏せた。
「彩ちゃんの手、冷えちゃってるね。早く移動しよっか」
「……うん」
私たちは海沿いのホテルを目指して移動を開始した。
しばらく歩いているとコンビニが見えてきて、まこが「そういえば、化粧落としとか買っていくよね?」と問いかけてきた。
どこかで聞いたその言葉に懐かしさを覚えると同時に、泊まるということを再認識して体が勝手に熱くなる。
最初のコメントを投稿しよう!