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「俺、今日彩ちゃんを帰す気ないから。何もしないって約束もできない」
「でも、前に“了承を得るまでは何もしない”って言ってたよ?」
「その約束は両想いになる前の話だよ。それに、この二か月間ずっと我慢してきたんだから……ご褒美くらい、くれてもいいよね?」
いつもより少し低い声で囁かれ、まるでのぼせたときのように体がふわついた。
まこは私からゆっくりと体を離すと、再び手を取ってコンビニへと向かう。
「ということで、コンビニに行こうね、彩姉」
「分かった……」
どうしてこのタイミングでそう呼んだのかは分からない。
ただ、好きな人という以前に、まこは弟のような存在だということを思い出したような気がした。
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