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「うん、ありがとう。その代わりに、俺が彩ちゃんのこと何よりも大事だってこと、覚えておいてね」
「もちろん、もう覚えているよ」
少しずつ近づいていく、二人の距離。
もう片方の手のひらが、私の頬を優しく包み込む。私はまこと同じように、その手に自分の手を重ねた。
唇に、優しい感触が降りてくる。
この二か月間、まこや敢太と何度も唇を重ねた。
その瞬間は確かに高揚感を得られたけれど、今ほど心が満ち足りることはなかった。
好きな人とキスとするのはこんなにも幸せなことだったんだ。
まるで二度と解けない魔法をかけられたみたいだ。
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