サヨナラ

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えっと、一体、どういう意味だろう。 智志さんを見れば箸もテーブルに置いて、真剣な表情で私の言葉を待っている。 「結婚を断ったって、それは智志さんの方だよね?」 「はぁ!?俺、断ってないし!」 「え?でも、もう『友達解消しよう』って、『そろそろ結婚のこと考えてくれないか』って、そう言ったのは智志さんだよ?」 「え」 私の言葉を聞いて、智志さんは驚いたように目を丸くした。 「あのさ、千咲」 「ん?」 「俺の言った『友達解消しよう』も『結婚のこと考えてくれ』も、俺にとってはプロポーズのつもりだったんだけど」 ぷ、プロポーズ!?!? 「え??えぇぇぇぇぇ!?!?」 予想外過ぎて思い切り驚きの声を上げた。 「どうしてそう、驚くかな………俺的には桜さんの結婚式の後だったし、すごくいい流れでプロポーズに至ったんだけど」 「いや、でも」 「千咲には全く逆の意味に聞こえたのか………」 「でも、だって」 「俺は真剣に考えてたよ。千咲との結婚」 「は?え?でも………」 「でもも、だっても、いらない。  千咲が俺との結婚断った理由って、ただの勘違い?」 勘違い? え?そうなの!? 「そ、それは勘違いしたかもしれない。  でも、私との結婚って、智志さんの本心じゃないでしょう?」 「本心じゃないってどういうこと?」 「だって智志さんは、ほら、その………」 直接言い切っていいものか、言葉を濁す。 「俺が、何?」 「えっと………ほら、初めて会った時、悦子さんが言ってたでしょう?」 「あぁ、本当は副社長なのにSEだって嘘を言ったこと?」 「そうだった!!智志さん、副社長さんだったんだね!!  それ、すっごくビックリした!!」 「それなら、謝るよ………千咲のこと騙したの。  でもそれはただそんなことで千咲に偏見を持ってほしくなかったからであって………」 少し悲し気に眉を下げる智志さん。 「いや、気にするのはそこじゃないんだけど………」 「だから、何?」 「ほ、ほら、悦子さん言ってたじゃない。  智志さんがその、ゲ、ゲ、ゲ、………ゲイ、だって」 「は?」 あなたの性癖を直接指摘してしまってごめんなさい。
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