夕星の夜想曲

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「こんくらい、日常茶飯事だ。いちいち驚くな」 「そう、なの」 狼狽えた星楽は座っていたソファーから立ち上がり、近付いて来た。 「とにかく、手当てするからシャツを脱いで座って」 「出来んのか?」 意外に思って問い返すと星楽の眉がピクリと動いた。 「馬鹿にしないで。心得はあるわ」 「じゃあ、頼む」 躊躇いもなく上半身を晒した俺に一瞬怯んだものの、言うだけあって手際は良かった。 目線を患部に集中させていたのは、気恥ずかしいのだろう。
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