プロローグ

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槍を抱えた男の質問なんかより私は現状が全く理解できなかった。 私はついさっきまで自分の部屋でごろごろとくつろいでいたはずなのに、どうして今どこかの学校の校庭の真ん中にいるんだろう? しかも今着ている服はこの間買ったばかりの猫のパジャマじゃなくて、ちょっとあなたどこの露出狂ですかと言うぐらいに露出度の高い純白のドレスだった。 胸元ガッツリ空いてる。 そしてどうして私は、今すぐにでも銃刀法違反とかそういうレベルを逸脱した次元のあの青い男と対峙している形になっているのだろう。 あまりにも現実離れしすぎていてパニックにもなれない。 今しがたあの真っ赤な槍を突きつけられたというのに私は恐ろしいまでに冷静だった。 「おいおい急に黙りかよ。さっきまで割とペラペラ喋ってたじゃねぇか。何もご丁寧に真名を言えとか言ってねぇんだ。せめてクラスくらい名乗ったらどうだ。」 どうも本当に現状が把握できない。 真名? クラス? 何の話だろう? 東雲 結麻、2年A組とでも名乗ればいいの? いや、きっとそんなこと言ったらあの槍で一突きにされそうだ。 「ちょ、ちょっとまって。いきなりすぎて何が何だかわからないの。」 「いきなりってこたーねぇだろう。不意打ちかましたわけでもねぇんだ。 俺は正々堂々この槍を携え、正面からお前に宣戦しただろうが。」 ダメだ。話が繋がらない。話が通じてない。いや、私が通じてない?
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