プロローグ

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「──────」 ただでさえ回っていなかった頭が完全に停止した。 真っ白で何も考えられない。 蔵野 玲弥。隣の家に住む一つ年上の男の子。私がお兄ちゃんと慕う人。 そんな玲弥お兄ちゃんが私の隣にいた。 ファンタジーの世界から出てきたような純白なマントに身を包んで。 どうして? どうして玲弥お兄ちゃんがこんな所にいるの? こんなわけのわからない状況に。 自分自身の現状すら全くわかっていないのに。もうパンクしそう。 でも、そんなことに頭を巡らせている時間はなかった。 一度避けたからといって青い男の攻撃が終わったわけではない。 私が一足飛びでかわした距離を、青い男もまた同様に一瞬で詰めてきた。 私には逃げる事しかできない。 この状況が何なのかはさっぱりだけれど、それでもあんな人智を超えた動きを見せる男に私が対 抗できるはずがない。 だって私はただの女の子なんだから。 でももう二度も体験した大跳躍。 理由はよくわからないけれど今の私は物凄い身体能力みたいだった。 今の私ならきっと、玲弥お兄ちゃんを抱えてでも同じ様に跳べるはず! 「玲弥お兄ちゃん掴まって!」
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