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そうは言ったものの玲弥お兄ちゃんが私の言葉に反応する余裕を私は与えることができなかった。
玲弥お兄ちゃんに私を掴まらせるというよりは、私が玲弥お兄ちゃんの胴をがっしりと抱き締めて力任せにまた後ろに跳んだ。
私の予想通り玲弥お兄ちゃんの体重なんてまるで問題にはならなかった。
玲弥お兄ちゃんの身長から考えればその体重は六十キロ以上はあるはずだけれど、まるで大きな人形を抱えているかの様に軽く感じる。
「ゆ、ゆま……! これは一体どういう──────!?」
三度目の攻撃を何とか避けた時玲弥お兄ちゃんは戸惑った声上げた。
私も全く同じ気持ちだけれど、でも考えたってわかる状況じゃない。
気がつけば知らない所にいて知らない男に殺されそうになってるなんてあまりにもデンジャラスすぎて考えなんて及ぶはずないんだから!
「私もわかんない! けど……!」
けど、どうにかしないと二人とも死んでしまう。
これがリアルすぎる夢だというならまだしも、そうでないことは私自身が全身を持って実感している。
「ぴょんぴょん逃げ回ってるだけじゃ埒があかねぇぞお嬢ちゃんよぉ!」
青い男が吠える。
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