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----- 2016/01/14 --------------------
冷蔵庫の中に満員電車のようにキャベツが詰まっている。
お腹も空いたので、水洗いして塩で揉み、胡麻を振って、かじった。
みずみずしくて非常に良いキャベツだ。
しかしなぜ我が家の冷蔵庫に入っているのか。
わずかばかり時間が経つとすぐに腹が減った。
さすがキャベツ、消化が速い。
まだまだ冷蔵庫に詰まっているキャベツを取り出す。
千切りにしドレッシングをかけて口にかき込んだ。
昼寝をしていると、やはり腹が減った。
一向に減る気配のないキャベツの山から一つ取り出し。
今度はフライパンで焼いて食べてみた。
キャベツだけを食っていると人はどうなるのだろうか。
考えていると腹が減った。
キャベツを茹で、コンソメスープの具にしてみた。
体が温まった。
冷蔵庫のキャベツは減らない。
数を数えて見ようか。
一つ二つ、三つ四つ。
どうにも減っているように見えない。
二十個ぐらい取り出しすと、冷蔵庫の奥に穴を見つけた。
冷蔵庫の裏はなんともない。
どこにつながっている穴なのか。
この穴からキャベツが転がり出てきているようだ。
さらにキャベツを引っ張りだし、穴の中を調べることにした。
----- 2016/01/15 --------------------
財布をポケットに突っ込んで外に出た。
ふぅと一息ついて近所のスーパーへ。
カゴを手に取り軽く思案。
ちょっとした思いつき。
豚肉のパック(一人分の少量)をカゴへ。
生姜焼きのタレも。
お菓子を横目にレジへ。
レジに立つ一人の女性に目がとまる。
細身のポニーテール、ちょっと茶色に染めた童顔の女の子。
当然、その子のレジへ。
何の気ない振りをしながら、ちらりちらりと見てしまう。
代金を渡し、お釣りを貰う。
手と手が触れたりはしない。
「ありがとうございました」と言われ、少し顔がほころぶ。
袋に買ったものを詰めながら、次の客の相手をする女の子を見る。
ふぅと一息つき、仕事に戻った。
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