阿部《あべ》春奈《はるな》編

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「あのさ、私も料理が下手じゃん?」 「私もって。小杉と私を一緒にしないで。 これでも私は料理は得意な方よ。 お母さんよりかは劣るって話」 ちょっと怒って言う春奈に 「まあまあ。それはいいのよ別に。 私は料理がダメだからさ、バーの方も おつまみは乾きモノばかりなのよ。 だけど、最近は私でも作れる料理を習って バーでも出すようになったのよね」 「小杉が?料理してんの?」 「そこまで驚かないでよ。 タレなんかはその人に作ってもらって 私は言われた手順で作るだけなの」 「へえ。いい人が近くにいてくれたね」 「でしょ?その人ってさ ご自分のところでカフェを経営しててさ、 お昼のランチのパンは自分で焼いてんのよ」 「自分で?え!すごい!!」 膨れ気味で聞いていた小杉の話に いつの間にか、春奈は引き込まれていた。
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