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阿部《あべ》春奈《はるな》編

腰掛けた春奈は
残りのパンを食べてる間

「ハイ。お紅茶をどうぞ」

亜美は厨房で紅茶を淹れてくれた。

「すみません。うわぁ･･いいニオイ」

「アップルティーよ。
うちは私がコーヒーが飲めないのでね
必然的に紅茶の種類が多いのよ」

へへ、って今度は照れくさそうに笑ってる。

「美味しいですね。
パンと合う気がします」

パンを食べたことで
口の中が少しパサついた感覚が
紅茶で一掃された。

「彼氏の話では、なにも付けなくても
それだけで甘いパンだったらしいです」

「丸パンなの？ロールパンとか
ツイストパンとかではなくて」

「ええ。シンプルな丸いパンだったって。
あとは牛乳のニオイが強かったらしいです」

数少ない情報を亜美に伝えると
何か考えるようなしぐさを見せ始めた。