阿部《あべ》春奈《はるな》編

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・・・・・・・ 「すごい・・・・コンデンスミルクだ・・・」 エプロンを着けた春奈は ガス台のそばで小鍋に向かって呟いた。 「そうよ。コンデンスミルクもね お家で簡単にできるのよ。 牛乳は酪農家さんから取り寄せてるから とても濃厚なミルクが出来上がるはずよ」 亜美の方はカフェで使うケーキを作ってる。 ガス台の後ろの作業台で ガーガーとミキサーが音を立てていた。 コンデンスミルクがないと気付いた亜美は 迷いなく冷蔵庫の中から牛乳瓶を出した。 小鍋の中に牛乳と砂糖を入れただけで 「ハイ。これを焦がさないように 絶えずかきまぜていてね」 初めましての春奈に指示を出して来た。 訳が分からなくも 素直にずっと木べらを動かしていると 次第に煮詰まってきたと思ったら 「ハイ。もういいわよ!」 半分の量まで煮詰まったら やっと鍋から解放された。
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