阿部《あべ》春奈《はるな》編

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と、安心していたのに 「ハイ。今度はこっちを混ぜてね」 その小鍋を氷が張ったボールの中に入れ 今度はそのままかきまぜることに。 焦がす不安がなくなったものの 今度はミルクがトロトロしてきて 重みが加重された。 「もういい頃かな?」 鍋の中を覗き込んだ亜美が 小さなスプーンですくったミルクを口に入れ 「うん。丁度いい甘さだわ」 にっこり笑って春奈を見た。 言われた通りに作業していただけなのに 春奈が褒められたような錯覚で 「ありがとうございます」 お礼の言葉なんて言っちゃった。 「どれどれ・・・」 堪らず春奈も味見をすると 「お店で買うよりも美味しい! すっごい濃厚ですね!! このままかき氷にかけて食べたい!」 真夏には絶対家で作ろうと決意できるほどだった。
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