阿部《あべ》春奈《はるな》編

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亜美のあとを受けて 生地を台に打ち付けている春奈は 「これいいかも! ストレスの発散にもうってつけ!!」 その作業を楽しんでいた。 思い切り生地を台に打ち付けていると なんとなくもやっと感が晴れてスッキリする。 「ふふ。そうでしょ。 私もこれがあるから手捏ねがやめられないのよ」 笑って肯定する亜美は このスッキリ感を知っているからだ。 あんなにベトベトしていたのに いつの間にか生地の表面がツルンとしている。 「名残惜しいでしょうけど、ここまでね」 「えー!もっとやりたかったー」 何度も言うが今日初めましての2人だ。 だけど春奈の方は すでに亜美に馴染んでいる。 前からの知り合いのような振る舞いになっていた。 だから不満の言葉も堂々と言っちゃってるし。
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