阿部《あべ》春奈《はるな》編

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時間が来て発酵器から出した生地は 入れるときよりも2倍以上に膨らんでいる。 中央に人差し指をプスッと突っ込むと 「気持ちいい・・・・」 うっとりしちゃうくらいに。 言うならば赤ちゃんのほっぺ。 「これを分割して丸めて もう一度発酵器の中に入れて膨らますの」 亜美の方は、ちょうどオーブンが鳴って 焼いていたケーキを取り出している。 「すっごーい!シフォンケーキーだぁ!!」 出て来たケーキは ぷっくら膨れたシフォンケーキだった。 それを逆さまにして瓶に挿して 「これはこのまま冷ますことにして。 さあ、分割しましょうか」 ボールの中から取り出した生地を さっきのスケッパーで分割して切ってから 「丸めるのはこんな感じ。 とじ口を最後押し込む感じね」 フムフムと。 お手本通りに春奈も1個ずつ丁寧に丸めて それを鉄板の上に等間隔に並べ終わると 「ふっくら膨らみますように」 呪文をかけてから発酵器の中へ。
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