阿部《あべ》春奈《はるな》編

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2度目の発酵の間は 「こっちにもバターを塗ってくれる?」 「了解です。マスタードは?」 「マスタードは半分だけでいいわ」 亜美のお手伝いをさせてもらった。 夜の営業の時に出すサンドイッチを 午前中に焼いた食パンで作り始めた。 「焼きたての食パンなんて サンドイッチよりもそのままがいいな」 「ふふ、そうよね。 焼きたての味を覚えちゃうとダメよ。 何日か経ったパンで作ったサンドイッチは 食べる気にもならなくなっちゃうから」 「それは困ったな。よそのカフェで サンドイッチが食べられなくなる」 常に作り立てのパンでもないだろうし。 食べてガッカリになったら、嫌だな。 スライスしたパンにバターを塗るのも 結構神経を使う。 パンがふわふわ過ぎちゃって 力を入れると窪んじゃいそう。
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